Amazon S3ストレージクラス料金比較|Standard・IA・Glacierの保存・取得費

Amazon S3のStandard・IA・Glacierの保存と取得費を比較するイメージ ITスキル実務

確認日: 2026年8月28日
対象: Amazon S3のStandard、IA、Intelligent-Tiering、Glacierを料金と用途で選ぶ人
注意: S3の単価はリージョン、冗長化、契約、請求通貨で変わります。保存単価だけでなく、リクエスト、取得、移行、最低保存期間をAWS公式料金表で確認してください。

「Glacierへ移せば保存費は下がる」。方向としては正しいのに、請求が安くならないことがあります。小さなオブジェクトが多い、短期間で削除する、復元を頻繁に行う。これらが重なると、安いGB単価を取得費と最低期間が追い越すからです。S3はオブジェクトごとにストレージクラスを持ち、同じバケットでもクラスを混在できます。だから最初に、アクセス頻度と復元までの許容時間を記録します。

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ストレージクラスの役割を比べる

クラス 向くデータ 最小保存・サイズ条件 取得の注意
S3 Standard 頻繁に読む本番データ 最低保存期間なし 通常のGET。保存単価はリージョンの料金表で確認
Standard-IA 月1回程度の長期データ 30日、最小請求サイズ128KB GB単位のデータ取得料金がある
One Zone-IA 再作成できる低頻度データ 30日、最小請求サイズ128KB、1AZ AZ喪失への耐性と取得費を確認
Intelligent-Tiering アクセスパターンが読めないデータ 監視・自動化のオブジェクト料金。128KB未満は監視対象外 アクセス層の移動に追加の階層化料金なし、取得料金なし
Glacier Instant Retrieval 四半期程度に読むアーカイブ 90日、最小請求サイズ128KB ミリ秒アクセスでも取得料金がある
Glacier Flexible/Deep Archive 年1回以下の長期保管 90日/180日。各アーカイブに40KBのメタデータ 復元後に読み出す。復元・取得・一時コピーを計算

AWS公式の比較表には耐久性と可用性も示されています。Standard-IAは複数AZ、One Zone-IAは単一AZです。安い方を選ぶのではなく、失われたら再作成できるか、復元まで数分から数時間を待てるかで候補を絞ります。名前が似ていても、復元の動作は同じではありません。

保存費だけで月額を出さない

月額は、平均保存GB×クラスのGB月単価+PUT・COPY・Lifecycle移行のリクエスト+GET・復元の取得費+データ転送+管理機能で分けます。料金表のStorage料金はリージョンを選んで読み、GBはAWSが定義する2の30乗バイトのバイナリ単位です。1TBを1,000GBとして社内計算すると、請求上の1024GBとずれるため、表計算の単位を先に固定します。

具体例を置きます。10,000個、合計1,024GBのログを90日保管し、月に1回すべてを読むとします。保存単価をStandardはS、Standard-IAはI、取得単価をR、リクエスト費をQと置くと、Standardは1,024×S+Q、Standard-IAは1,024×I+1,024×R+Qです。IがSより低くても、毎月の全量取得を続けると差額が消えます。RとQはリージョン・リクエスト種別の公式表示に置き換えてください。

なお、StandardのGETリクエストを100万回行う場合、AWS公式料金ページの米国東部の例では0.0004ドル/1,000リクエストです。100万÷1,000×0.0004=0.40ドルとなります。ただし、この数字はリクエスト種別とリージョンの確認なしに一般化できません。コンソールで一覧を開くだけでもGETやLISTが発生するため、調査作業の回数を無視しないことが大切です。

最低保存期間と小さいファイルを確認する

Standard-IAとOne Zone-IAは30日未満で削除、上書き、別クラスへの移行をすると、残り期間の按分料金が発生します。Glacier Instant RetrievalとFlexible Retrievalは90日、Deep Archiveは180日です。ライフサイクルルールを「7日後にアーカイブ」と書くと、7日後から最低期間の時計が始まります。短命な一時ファイルをこのルールへ入れると、移行しただけで損になる場合があります。

128KB未満のオブジェクトはIA系とGlacier Instant Retrievalで128KB分が請求されます。Flexible RetrievalとDeep Archiveでは、オブジェクトごとに40KBの追加メタデータがあり、8KBはStandard、32KBはそれぞれのGlacier単価で計算されます。小さなJSONやログ行を何百万個も置くより、適切な単位でまとめる方が、保存だけでなくLISTと移行リクエストも減らしやすくなります。

Intelligent-Tieringは、アクセスが変わるデータを自動で階層化します。ただしオブジェクト監視・自動化料金はオブジェクト数に基づき、128KB未満は監視されずFrequent Access層の料金で扱われます。ファイル数が多いワークロードでは、GBの大小よりオブジェクト数が判断を左右します。

取得と復元の時間を費用に入れる

Glacier Flexible RetrievalとDeep Archiveは、保管したままGETできません。まず復元し、復元した一時コピーをStandard料金で保管する期間を指定してから読み出します。取得GB、復元リクエスト、復元後の一時保存、インターネットへの転送が別々に存在するため、災害訓練で全量を戻す場合は通常月と違う請求になります。

たとえばDeep Archiveに1,024GBを置き、年1回、全量を復元するなら、アーカイブ保存+復元・取得1,024GB+復元コピー1,024GBの一時保存+転送を積み上げます。復元したコピーを30日保持する設計なら、その30日分も加えます。安価な保存先からの取り出しが無料とは限りません。RTOを満たすことと予算を満たすことを同じ表で確認します。

ライフサイクル移行にもPUTリクエスト相当の料金が発生します。多数の短いオブジェクトを毎日移行すると、保存費の差が移行費で相殺されます。移行対象は接頭辞、タグ、サイズで絞り、ルールを本番投入する前に代表バケットでオブジェクト数を測ります。

冗長化・複製・転送の請求を重ねる

CRRやSRRを使えば、宛先クラスの保存費、複製PUT、必要な取得費、データ転送が加わります。One Zone-IAへ複製しても、単一AZという性質は変わりません。別リージョンへのコピーを災害対策と呼ぶなら、復元手順、暗号鍵、IAM、削除保護まで別リージョンで試します。コピーを作った分だけ保存容量が増える、という単純な見方がまず有効です。

CloudFrontへ出す構成ではS3からCloudFrontへの転送が無料とされる条件がありますが、CloudFront側のリクエスト・転送費は別です。同一リージョンのS3からAWSサービスへの転送も条件により無料です。経路を図にして、S3料金とCloudFront料金を同じリクエストに二重計上しないようにします。比較の出発点にはAmazon S3料金の総合記事Google Cloud Storage料金も使えます。

データと権限をクラス変更より先に決める

S3のクラス変更は、アクセスできる人を増やす操作ではありません。バケットポリシー、IAM、S3 Block Public Access、SSE-KMSの鍵ポリシー、CloudTrailのデータイベントを別に確認します。アーカイブした個人情報を戻す権限、復元ジョブを実行できる権限、削除できる権限を分け、緊急時に誰が復元するかを決めます。

アプリケーションのログ、バックアップ、顧客ファイルは保持期間が違います。タグでデータ分類し、削除マーカーとバージョニング、Object Lockの保持期限がライフサイクルを妨げないか確認してください。暗号化キーを削除するとデータが読めなくなるため、バケット削除の前にキーの利用記録と復元テストを残します。

契約・停止・削除のチェック

  • 料金表でリージョン、ストレージクラス、単位、税、無料枠を保存する
  • ライフサイクルの移行日と最小保存日数が、実際の保持要件に合うか確認する
  • GET・復元・転送・CRR・S3 Inventoryなどの周辺費用を別行にする
  • 削除前にバージョン、削除マーカー、Object Lock、バックアップを一覧化する
  • 不要なバケット、レプリケーション、ライフサイクル、アクセスログを停止し、翌月の請求を見る

バケットを空にしても、別リージョンのレプリカやログ保存先が残ることがあります。アカウントの請求画面とS3 Storage Lens、CloudWatch、CloudTrailを照合し、停止が請求停止までつながったか確認します。

公式料金表で最後の単価を置き換える

Amazon S3公式料金でストレージ、リクエスト、データ取得、転送、複製の表をリージョン別に読み、S3公式ストレージクラスガイドで最小期間・サイズ・可用性を確認します。AWS Pricing Calculatorに、保存GB、オブジェクト数、GET、復元量、レプリカ、転送量を入力して、料金表の式と照合してください。クラスを変える前に、用途と復元時間が表の列へ本当に収まるかを確かめる。その一手が、安いGB単価に引きずられない見積もりになります。

参照:Amazon S3公式料金Amazon S3公式ストレージクラスガイド(2026年8月28日確認)。価格はリージョン、契約、税、利用量で変動します。

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