Microsoft Security Copilotの料金は、ユーザー数だけで決まりません。Security Compute Unit(SCU)を何個プロビジョニングするか、急な利用を超過分でどれだけ許可するかで請求が変わります。2026年8月25日時点の公式価格情報を読み、月額を誤って固定費だけで計算しないための方法をまとめます。
結論:通常負荷はプロビジョニング、急増は超過分。E5の特典も別枠で確認
公式ページでは、Security CopilotはSCUで容量を購入し、プロビジョニング済みSCUは時間単位で毎月課金、超過分SCUはオンデマンド利用に応じて課金されると説明されています。最低1プロビジョニング済みSCUが必要です。Microsoft 365 E5・E7の対象顧客には、ユーザー数に応じたSCUの特典が段階的に提供される説明もありますが、アクセス開始時期と容量を無制限と解釈してはいけません。
| 課金要素 | 計算の考え方 | 向く用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| プロビジョニング済みSCU | SCU数×時間単価×稼働時間 | 通常の調査・要約 | 使わない時間も設定次第で課金 |
| 超過分SCU | 実消費SCU×超過単価 | インシデント急増・季節変動 | 上限を設定しないと予算が膨らむ |
| E5/E7の特典 | 対象ユーザー数に応じた容量 | 既存E5利用者 | ロールアウト・上限・対象機能を確認 |
公式の課金例を月額に置き換える
MicrosoftのFAQには、プロビジョニング済み4 SCU、超過分の上限6 SCUの例があります。ある時間に3.5 SCUを消費した場合、4 SCU分が課金されます。さらに同じ時間帯に3.2 SCUを使うと合計7.2 SCUとなり、プロビジョニング4 SCUに加え、超過3.2 SCUが課金される例です。公式例ではプロビジョニング1 SCUあたり4米ドル、超過1 SCUあたり6米ドルとして、1時間35.20米ドルと計算しています。
この例を30日・24時間の上限で単純計算すると、毎時間同じ負荷が続く場合は35.20ドル×730時間=25,696ドルとなります。ただし実際は利用量、為替、契約、税で変わるため、この数字を日本円の見積もりとして使ってはいけません。通常時間はプロビジョニング、急増時間は超過という請求の構造を理解するための例です。
SCU数を決める方法
最初から大容量を予約するより、対象チーム、1日あたりの調査件数、プロンプトブック、インシデントのピーク時間を計測します。たとえば平常時に1時間あたり2SCU、月4回のピークで5SCUが必要なら、2SCUをプロビジョニングし、超過の上限を3SCUに設定するという考え方ができます。実際の必要数は容量計算ツールで検証してください。
Security Copilotは、Microsoft Sentinel料金、Defender for Cloud、Entra ID、Intuneなどと連携します。連携先のログ取り込みや保持費用が、SCUとは別に発生することを忘れないでください。
契約・解約・データ保持
Azureサブスクリプション、Entra ID、課金スコープ、管理者ロールを準備します。プロビジョニング容量を減らす、超過分の上限を変更する、サービスを停止する操作の反映時間と請求単位を確認してください。解約前には、調査結果、プロンプト、インシデント記録、監査ログをどこへ保存するかを決めます。
AIサービスの利用を止めても、連携先に送ったログや保持対象データが同時に消えるとは限りません。個人情報・機密情報の入力可否、保存地域、アクセス権、モデル学習への利用条件を契約書と公式ドキュメントで確認します。
セキュリティ運用の注意
生成AIの要約は調査を速めますが、誤検知や誤った優先度付けがなくなるわけではありません。封じ込め・削除・ユーザー無効化などの操作は承認者を残し、出力の根拠ログと人のレビューをセットにします。SCUを節約するためにログを減らすと、検知の品質が落ちる可能性があるため、保存要件と予算を別々に決めます。
公式情報
課金方式とSCUの例はMicrosoft Security Copilot公式価格、前提条件と課金FAQはMicrosoft Learn公式FAQを参照しました。日本円の最終価格はAzure料金計算ツールと契約条件で確認してください。
見積もりを確定する前の確認
料金表の数字をそのまま予算書へ転記する前に、契約期間、税、為替、無料枠、最低購入数、利用地域、支払い方法を確認します。無料試用から有料へ変わる日と自動更新日をカレンダーに登録し、更新前に利用実績を見直してください。利用者やデータ量が増えたときに、どの単位で料金が増えるかを把握しておくと、翌年度の予算が立てやすくなります。
判断に迷う場合は、必要なユーザー数、保存容量、月間処理量、管理者数、連携サービスを一枚の表にまとめます。そこへライセンス、作業、転送、バックアップ、サポートの項目を足し、月額と初期費用を分けて比較します。価格が非公開または見積もり表示の場合は、公式の料金計算ツールや営業見積もりの取得日を記録し、古い数字を根拠に契約しないようにします。導入後の利用実績と請求額を照合する担当者も決めておくと、想定外の増額を早く見つけられます。月次レビューの記録も残します。
運用開始後に見る数字
契約直後は、実際の利用量が見積もりと一致するとは限りません。初月と繁忙月を分けて、割り当て済みユーザー、アクティブユーザー、保存容量、転送量、処理件数、追加機能の利用回数を確認します。使っていないライセンスや、試験用に残ったリソースは、担当者を決めて定期的に見直します。
- 請求書のサービス名と、管理画面の利用量が合っているか。
- 無料枠を超えた項目と、超過単価が予算表に反映されているか。
- 退職・異動した利用者のアクセスとデータ所有者が整理されているか。
- 共有範囲、管理者権限、監査ログの確認者が決まっているか。
費用を下げるときは、いきなり上位機能を削るのではなく、利用されていない座席、不要な保存期間、過剰な同時実行、重複する契約を探します。逆に、料金を抑えるためにログやバックアップを削ると、障害や監査に対応できないことがあります。金額、業務継続、セキュリティの三つを同じ表で比較し、変更前後の差分を残してください。
社内で説明するときは、月額だけでなく、1人あたり・1GBあたり・1,000件あたりの単価に直すと部署間で比べやすくなります。利用者が増えた場合と減った場合の両方を試算し、最も使う部署の業務が止まらない条件を先に決めます。価格改定や機能変更があった場合に、誰が公式情報を確認して予算表を更新するかも明確にしておくと安心です。
費用比較の表には、作成日と参照した公式ページのURLを添えます。見積もりの有効期限が切れたときは、古い単価と新しい単価を混ぜずに計算し直してください。契約担当者と現場責任者が同じ表を確認し、前提条件の違いを残さないことも大切です。変更理由と承認者を記録すれば、翌月の請求確認も簡単になります。更新後の利用者への周知も忘れません。問い合わせ先も明記します。変更履歴も残します。月次記録を保存します。完了報告も残します。

