Google Cloud Dataflowの料金は、パイプラインを作った数ではなく、ジョブが使ったvCPU・メモリ・Shuffle・Streaming Engine・ディスクなどの資源で決まります。バッチとストリーミングでワーカーの初期構成が違い、Dataflow Primeを使うとDCU(Data Compute Unit)でまとめて計測します。処理量だけで計算したつもりでも、Pub/Sub、BigQuery、Cloud Storage、Cloud Loggingが同じジョブで動いていれば、それらの料金が別に発生します。
2026年8月25日にGoogle Cloud公式料金ページを確認しました。通常のバッチ料金の例はvCPU 0.056ドル/時間、メモリ0.003557ドル/GiB時間、Shuffleデータ0.011ドル/GiB。ストリーミングの例はvCPU 0.069ドル/時間、メモリ0.003557ドル/GiB時間、Streaming Engine 0.089ドル/単位です。Dataflow PrimeではバッチDCU 0.06ドル、ストリーミングDCU 0.089ドルの例があります。リージョン・契約割引で変わるため、公式料金表を最終基準にします。
バッチかストリーミングか、通常モデルかPrimeかを決め、ワーカー数・vCPU・メモリ・実行時間・Shuffle量を置きます。次にPersistent Disk、GPU、スナップショット、入力・出力サービスを足します。料金はジョブ単位で秒計測されるため、時間単位の表示だけで丸めないでください。
Dataflowの料金比較
| モデル | 主な課金単位 | 公式の価格例 |
|---|---|---|
| 通常モデル・Batch | ワーカーvCPU、メモリ、Dataflow Shuffle | vCPU0.056ドル/時、メモリ0.003557ドル/GiB時、Shuffle0.011ドル/GiB |
| 通常モデル・Streaming | ワーカーvCPU・メモリ、Streaming Engineまたは処理バイト | vCPU0.069ドル/時、メモリ0.003557ドル/GiB時、Engine0.089ドル/単位 |
| FlexRS | バッチのvCPU・メモリを割引価格で計測 | 実行開始を最大6時間遅らせる代わりに約40%割引の説明 |
| Dataflow Prime | バッチ・ストリーミングのDCU | バッチ0.06ドル、ストリーミング0.089ドル/DCUの例 |
| 共通の追加費用 | Persistent Disk、GPU、スナップショット | ジョブ資源として別計算 |
通常モデルでは、処理の各資源が別々に表示されるため、ボトルネックと費用の関係が追いやすい反面、見積もり欄が増えます。Primeは資源をDCUにまとめるため、パイプラインの消費量を比較しやすくなりますが、既存ジョブを切り替えた後は課金モデルが変わります。移行前後の請求を同じ期間で比較してください。
バッチ処理を計算する
1 vCPU・3.75GiBメモリのワーカーが10台、2時間動き、Shuffleで500GiBを処理する例を考えます。vCPUは10×2×0.056=1.12ドル、メモリは10×3.75×2×0.003557=約0.267ドル、Shuffleは500×0.011=5.50ドル。Dataflow本体は概算6.89ドルです。実際にはディスク、スナップショット、入力元・出力先、ログが加わります。
同じジョブを月30回動かすと、上の資源だけで206.70ドル。実行時間が30分なら単純に半分ですが、ワーカーの起動・停止、最低資源、リトライ、オートスケールの増加分があります。Shuffleの量を減らすには、早い段階でフィルタ・Combiner・効率的なCoderを使い、不要なキーで再配分しない設計にします。Dataflowは時間を短くすれば必ず安くなるわけではなく、ワーカーを増やした結果、総資源が増えることもあります。
ストリーミングの計算とDataflow Prime
ストリーミングの公式初期例は4 vCPU、15GBメモリのワーカーです。1ワーカーを24時間、30日動かすと720時間。vCPUは4×720×0.069=198.72ドル、メモリは15×720×0.003557=約38.42ドルです。Streaming Engineを0.089ドルの単位で使う場合は、実際の消費単位を別に掛けます。これにディスク、Pub/Sub、BigQuery、Cloud Loggingを加えます。
常時稼働のストリーミングは、アイドル時もワーカー資源が残ります。入力が少ない時間帯にオートスケールを使うか、バッチに切り替えられる処理を分けるかを検討します。逆に、常時低遅延が必要なのに無理に停止すると、再起動遅延やデータ再処理のコストが増えます。料金とSLAを同じ表で比較してください。
Dataflow Primeの公式例では、バッチ1DCUあたり0.06ドル、ストリーミング0.089ドル。1時間の1 vCPU・4GB相当を1DCUの目安とし、ジョブが使った総DCUを掛けます。ストリーミングの1年・3年CUDは割引モデルの選択肢ですが、利用量が安定してから検討します。
周辺サービスを含めた見積もり
- 入力イベントをPub/Subから読むなら、Pub/Sub料金の発行・配信・保持を加えます。
- 結果をBigQueryへ書くなら、BigQuery料金のストレージ、クエリ、ストリーミングの条件を確認します。
- 中間ファイルをCloud Storageに置くなら、Cloud Storage料金の保存・操作・転送を加えます。
- ジョブログや監視をCloud Loggingへ送るなら、取り込み・保持・ログベースメトリクスの費用を別にします。
Dataflowの見積もり表に、ジョブ名、モデル、リージョン、ワーカー最大数、平均数、実行時間、Shuffle、入力・出力GiB、月回数を記録します。費用が増えたときに、処理量かオートスケールか、ログかを切り分けられるようになります。
契約・停止・削除
DataflowはPay-as-you-goで、バッチジョブが完了すれば新しいワーカー課金は止まります。ストリーミングジョブは停止するまで継続し、監視・ログ・Pub/Subの保持も残ります。CUDを購入する場合は利用期間と適用リージョンを確認し、ジョブを削除してもコミットメントが消えるわけではない点に注意します。スナップショットやCloud Storageの中間データは、再処理要件を満たす保持期間を決めてから削除します。
データ・セキュリティ
Dataflowワーカーのサービスアカウントは、入力・出力バケット、Pub/Sub、BigQuery、Secret Managerなど必要な権限だけに絞ります。パイプラインコード、テンプレート、ワーカーのログにAPIキーや個人情報が出ないようにし、VPC Service ControlsやPrivate IP、KMS、監査ログを要件に合わせて使います。別リージョンへ出力すると転送とデータ所在の問題が増えるため、復旧目的の複製は明示的に設計します。
よくある質問
Dataflowは処理したGBだけで課金されますか?
いいえ。ワーカーのvCPU・メモリ、Shuffle、Streaming Engine、ディスク、GPUなどが別に課金されます。
FlexRSはいつ使うべきですか?
バッチで開始を最大6時間遅らせてもよく、約40%割引の条件を活用できる処理です。締切やSLAが厳しいジョブには適合しない場合があります。
Primeへ移行すると安くなりますか?
資源利用の改善とDCU課金の見通しはありますが、すべてのジョブで自動的に安くなるわけではありません。現行ジョブの実測と移行後の課金を比較します。
Dataflowの料金は、ジョブの名前より、ワーカーがどのデータを何秒動かし、どれだけシャッフルしたかで決まります。処理モデルと周辺サービスを切り分け、短時間バッチと常時ストリーミングを同じ物差しで見積もることが、予算超過を防ぐ最初の一歩です。
参照:Google Cloud Dataflow pricing、Dataflow Prime公式ガイド(2026年8月25日確認)。価格は公式の米ドル例で、リージョン・CUD・資源使用量で変わります。

