Google Cloud Buildの料金は、ビルドをキューに入れた時間ではなく、ビルド用マシンが実際に処理した分数で決まります。標準のe2-standard-2なら1分0.006ドル、請求アカウントごとに月2,500ビルド分の無料枠があります。小さなテストは無料枠内でも、並列ビルド、プライベートプール、追加SSD、ネットワーク送信を使うと別の課金軸が現れます。
2026年8月25日にGoogle Cloud公式料金ページを確認しました。デフォルトプールのe2-standard-2は2vCPU・8GBメモリで0.006ドル/分、e2-mediumは0.003ドル/分、e2-highcpu-8は0.0156ドル/分、e2-highcpu-32は0.0624ドル/分の例です。最初の100GBのWorker SSDは無料、ネットワークの送信は標準料金に従います。新規契約やリージョンで表示が変わるため、請求アカウントで再計算してください。
ビルド回数×1回の実行分数×マシン単価を計算し、2,500無料分を請求アカウント全体で差し引きます。Private Poolはマシンタイプと稼働時間を別にし、SSD・ネットワーク・Artifact Registryの保存と転送を加算します。待ち時間はビルド分数に含まれない説明があります。
Cloud Buildの料金比較
| マシンタイプ | vCPU / メモリ | 公式価格例 |
|---|---|---|
| e2-standard-2 | 2 vCPU / 8GB | 0.006ドル/分。無料枠の対象例 |
| e2-medium | 1 vCPU / 4GB | 0.003ドル/分。Quick Start対象外の例 |
| e2-highcpu-8 | 8 vCPU / 8GB | 0.0156ドル/分 |
| e2-highcpu-32 | 32 vCPU / 32GB | 0.0624ドル/分 |
| Worker SSD | ビルドVMの追加ディスク | 最初の100GB無料。超過はリージョン単価 |
| Private Pool | 専用ワーカーのマシン時間・ディスク | マシンタイプとリージョンの表で計算 |
無料枠は「ビルドが2,500回無料」ではなく、e2-standard-2のビルド分数を基準にしたプロモーション例です。e2-highcpuやPrivate Poolを使った分まで同じように無料とは限りません。ビルド設定、マシンプール、トリガーの請求先を確認します。
通常ビルドの月額を計算する
e2-standard-2で、1回8分のビルドを月500回実行すると、使用量は4,000分です。無料2,500分を引いた1,500分×0.006ドル=9ドル/月がCloud Buildの概算です。待機中のキュー時間は分数に含まれないため、並列度を上げても待機自体の料金は増えません。ただし、同時に実行するビルド用VMの処理時間とArtifact Registryへのpushは増える可能性があります。
ビルドが1回20分に伸び、月1,000回なら20,000分。超過17,500分×0.006=105ドルです。テスト、依存関係のダウンロード、Dockerイメージの圧縮、セキュリティスキャンの時間を分解し、ただマシンを大きくする前にキャッシュや差分ビルドを検討します。高CPUタイプに変えると分数は減っても、単価が上がり総額が下がらない場合があります。
高CPU・Private PoolとSSD
e2-highcpu-8を1回5分、月1,000回使うと5,000分×0.0156=78ドル。e2-standard-2の同じ5,000分なら30ドルですが、処理時間が本当に5分で終わるかは別です。ビルド時間が8分から3分になったなら、highcpuは3,000×0.0156=46.80ドル、standardは8分のまま48ドルという比較になります。性能検証の実測値で決めます。
Private Poolは、VPC内の依存サービスや固定ネットワーク、機密性を優先する場合に有効です。専用マシン、ディスク、プールの稼働時間を見積もり、ビルドがない時間にもプールを維持する構成でないかを確認します。プライベートプールのマシンタイプはe2-standard-2、e2-standard-4など、公式表のリージョン別単価を使います。追加SSDは最初の100GBが無料の例ですが、要求容量と保持時間に応じたディスク料金を別にします。
Artifact Registry・CI/CDとの合計
Cloud Buildが作ったイメージをArtifact Registryへpushする場合は、Artifact Registry料金の保存・転送・脆弱性スキャンが別に発生します。GKEやCloud Runへ配布するなら、実行費とネットワークも含めます。
GitHubやGitLabからCloud Buildを呼ぶ場合、外部CIの分数・ストレージ・ネットワークも別請求です。GitHub Enterprise料金やGitLab料金と、どこまでをCloud Buildで実行するかを切り分けます。Dockerのイメージ作成・ライセンス条件は、Docker料金比較の契約要件も確認してください。
コストを管理する方法
- ビルドトリガーをブランチ、パス、タグで絞り、不要なコミットごとのビルドを減らします。
- 依存パッケージとDockerレイヤーをキャッシュし、毎回同じ処理を実行しないようにします。
- テスト用・本番用のマシンタイプを分け、PRでは小さく、本番リリースで必要な性能を使います。
- 失敗したビルドとリトライを別に集計し、成果物の保存期間とタグを管理します。
- 請求アカウント単位で無料枠を共有するため、プロジェクト・チームごとの利用量を見える化します。
予算を作るときは、ビルド回数より「1回の分数」を実測します。再試行、並列ステップ、プライベートプール、長大なイメージを含めると、見積もりと請求の差を説明しやすくなります。
契約・停止・削除
Cloud Buildは従量課金で、トリガーを無効にすれば新しいビルドは止められます。既存のログ、Artifact Registryのイメージ、外部レジストリ、Private Poolの設定は残ります。Private Poolや専用ワーカーは、ビルドを止めてもプール自体の料金が続く契約・構成があり得るため、コンソールの稼働状態と請求項目を確認します。リポジトリやトリガーを削除する前に、監査・ロールバック・再現ビルドの要件を保存します。
データ・セキュリティ
ビルドログには環境変数、依存URL、テストデータが出ます。Secret ManagerやWorkload Identityを使い、秘密値をログへechoしない、長期鍵を置かない、CIサービスアカウントを最小権限にする、という基本を守ります。Private Poolではネットワーク経路、イメージ署名、SBOMの保存先も確認します。
よくある質問
無料2,500分はプロジェクトごとですか?
公式ページでは請求アカウントごとの無料ビルド分として説明されています。複数プロジェクトを同じ請求アカウントに紐づけた場合の合算を確認します。
待ち時間も課金されますか?
キューで待っている時間はビルド分数に含まれない説明です。実行が始まった後のVM時間、追加ディスク、ネットワークは別に計測します。
高速なマシンにすれば安くなりますか?
処理時間が単価の上昇を上回って短くなるか次第です。standardとhighcpuで同じビルドを測り、月間総分数×単価で比較します。
Cloud Buildの予算超過は、1回のビルドが数ドルすることより、トリガーと成果物が積み重なることで起こります。無料枠、分数、プール、イメージ保存を同じCI/CD表に置けば、開発速度とコストのバランスを説明できます。
参照:Google Cloud Build pricing、Cloud Build公式概要(2026年8月25日確認)。価格は公式の米ドル例で、マシンタイプ・リージョン・SSD・ネットワークで変動します。
