Amazon EventBridge料金比較|イベントバス・Pipes・Scheduler・API Destinations

Amazon EventBridgeのイベントバスと配信料金を表すイベント連携のイメージ ITスキル実務

Amazon EventBridgeの料金は、イベントを置く「箱」の数ではなく、取り込み・配信・スケジュール・API送信など、イベントが通過した場所で分かれます。AWSサービスの管理イベントは無料でも、SaaS連携や自社アプリのカスタムイベントは課金対象になり得ます。小さなJSONを大量に送る設計と、大きなペイロードを少数送る設計では、同じ件数でも請求が変わる点が見落とされがちです。

最初に見るべきは1イベント=1件とは限らないことです。ペイロードは64KB単位で数えられ、256KBなら4イベント相当になります。2026年8月25日にAWS公式料金ページを確認したところ、カスタムイベントの取り込みは米国の例で100万イベントあたり1ドル、同一アカウント内への配信は無料、別アカウントのイベントバスへの配信は100万あたり1ドルという整理です。

先に結論
AWS管理イベントの取り込みは無料ですが、カスタム・パートナーイベント、クロスアカウント配信、Pipes、Scheduler、API Destinations、Archive/Replayは別の課金軸を持ちます。使わない機能を有効にしたままにせず、イベントサイズと配信先を月次で棚卸しするのが基本です。
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EventBridgeの料金項目

機能 課金の基準 公式料金例
Event Bus 取り込み・配信イベント。64KB単位 カスタム取り込み1ドル/100万イベント、同一アカウント配信0ドル
Partner events SaaSパートナーからの取り込み・配信 取り込み1ドル/100万、同一アカウント配信0ドルの例
Pipes フィルタ後のターゲットへのリクエスト 0.40ドル/100万リクエストの例
Scheduler スケジュールの呼び出し回数 月1,400万回まで無料、超過1ドル/100万の例
API Destinations HTTPSエンドポイントへの呼び出し 0.20ドル/100万イベントの例
Archive/Replay 処理・保存・再生イベント 処理0.10ドル/GB、保存0.023ドル/GBの例

上表は価格表の読み方を簡略化したものです。実際にはリージョン、データ転送、PrivateLinkやVPC Latticeの利用、AWSサービス側のログ料金が加わります。Schema Registry自体は無料ですが、Schema Discoveryには月500万イベントの無料枠を超える場合の課金があります。

イベントバスの計算例

自社の注文システムが1か月に1,000万件のカスタムイベントを発行し、そのうち500万件を別アカウントのイベントバスへ送り、残り500万件を同じアカウントのLambdaへ配信するとします。すべて64KB以下なら、取り込みは1,000万×1ドル/100万=10ドル。クロスアカウント配信は500万×1ドル/100万=5ドル。同一アカウント内の配信は0ドルで、EventBridgeの小計は15ドル/月です。

同じ1,000万件でも、平均256KBのイベントなら4倍相当です。取り込み40ドル、クロスアカウント配信20ドルとなり、小計は60ドルまで上がります。大きな本文をイベントに詰め込むより、S3にデータを保存し、バケット・キー・バージョンだけをイベントに載せる設計の方が、課金と再送の両方を抑えやすくなります。

Pipes・Scheduler・API Destinationsの見積もり

EventBridge PipesはSQSなどのソースからターゲットへ、フィルタ・変換・拡張をはさんで届けます。たとえばSQSに月1,000万件が入り、25%だけが条件に一致し、5件を1回にまとめるなら、1,000万×25%÷5=50万リクエスト。公式の0.40ドル/100万リクエスト例では0.20ドルです。ただしSQSのリクエスト、Lambdaの実行、転送は別請求です。

Schedulerは定期処理を作る機能です。月2回実行するスケジュールが1,000万個あると、呼び出しは2,000万回。無料1,400万回を引いた600万回×1ドル/100万=6ドルという公式例になります。スケジュールの削除漏れは、実行が少なくても積み上がるため、CloudFormationやタグで所有者と終了日を記録します。

API Destinationsを使うと、HTTPSの外部サービスへイベントを送れます。100万イベントあたり0.20ドルの例に、インターネットへのデータ転送や認証先の料金が加わります。リトライ、タイムアウト、レート制限を設計し、外部側が重複を受け取っても壊れないIDをイベントに含めてください。

他サービスと組み合わせたコスト

  • Lambdaをターゲットにする場合は、AWS Lambda料金のリクエスト数・実行時間も計算します。
  • HTTP入口をAPI Gatewayにする場合は、Amazon API Gateway料金比較でAPI種別と転送を分けて確認します。
  • 長い業務フローの順序制御なら、Step FunctionsのStandard/Express料金と比較します。
  • ログをCloudWatchへ送る場合、イベントの内容・保存期間・検索量がCloudWatch料金を左右します。

請求を見るときは、EventBridgeのUsageTypeだけでなく、送信元、配信先、リージョン、ペイロードサイズをタグやCloudWatchメトリクスで照合します。無料枠は未使用分を翌月へ繰り越さないものがあるため、「今月は無料だから放置」という判断は危険です。

契約・停止・削除の注意

EventBridgeは定額の年間契約が前提ではなく、基本は従量課金です。イベントバスやルールを削除しても、Archive、CloudWatch Logs、S3へ送った履歴、ターゲット側のデータは自動で消えません。外部SaaSのパートナーイベントを停止する場合は、AWS側のイベントソースだけでなく、SaaS側の連携契約やWebhookも解約確認します。ルールを無効化しただけでは、アーカイブ保存や既存の再生が請求されるケースがあります。

データ・セキュリティ

イベントパターンには顧客IDや注文状態を含めても、カード番号やアクセストークンを平文で入れない方が安全です。EventBridgeのリソースポリシーでアカウント間の送信先を限定し、IAMの最小権限、KMS暗号化、CloudTrailの変更監査を組み合わせます。API Destinationsの接続情報は接続リソースに任せ、ログやエラー通知で秘密情報が露出しないようマスキングしてください。

よくある質問

AWSサービスのイベントは全部無料ですか?

管理イベントの取り込みが無料になる範囲はありますが、S3のデータイベントなどオプトインしたイベント、クロスアカウント配信、ターゲット側の料金は別です。

同じイベントを2つのルールに配ると2倍ですか?

配信先やイベント種別により数え方が変わります。自社のアカウント・リージョン・64KBチャンクの条件を料金ページで確認し、実測メトリクスと請求を突き合わせてください。

円換算した金額を契約書に書けますか?

為替と請求条件が変わるため、ここでの米ドル計算は比較用です。発注や予算申請ではAWSの請求通貨と見積書を使います。

EventBridgeの費用を抑える近道は、ルールを闇雲に削ることではありません。イベントの所有者、サイズ、配信先、保持期間を一つの表にし、無料と有料の境界を運用で見えるようにすることです。

参照:Amazon EventBridge pricingAmazon EventBridge FAQs(2026年8月25日確認)。価格は公式の米ドル例で、リージョン・転送・接続先サービスで変動します。

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