Google Cloud Bigtableは、低レイテンシーで大量のキー・バリューを読み書きするためのデータベースです。料金は、インスタンスを作った数ではなく、クラスタごとのノード数、SSDやHDDの保存量、ネットワーク、バックアップ、リージョン間レプリケーションで決まります。ノードは利用率が低くてもプロビジョニングしている限り課金されるため、アクセスが少ない時間だけ止める一般的なサーバーの感覚では見積もれません。
2026年8月25日にGoogle Cloud公式料金ページを確認しました。us-central1の例では、Enterpriseが0.65ドル/ノード時間、Enterprise Plusが0.85ドル/ノード時間。1年・3年のCUD例はそれぞれ0.52/0.39ドル、0.68/0.51ドルです。SSDストレージは同リージョンの例で0.17ドル/GiB月、ネットワーク転送と複製は行き先・量で変わります。日本の料金を直接示すものではなく、計算方法を理解するための公式例です。
Bigtableの基本式は、クラスタ数×ノード数×時間×ノード単価+クラスタごとの保存+ネットワークです。複数クラスタはデータのコピーを持つため、保存量もクラスタ数分になります。ノードを増やすだけでなく、レプリケーションとバックアップの費用を同じ表に入れてください。
Bigtableの料金比較
| 項目 | 課金単位 | 公式例(us-central1) |
|---|---|---|
| Enterpriseノード | クラスタのノード時間 | 0.65ドル/ノード時。1年CUD0.52、3年0.39ドルの例 |
| Enterprise Plusノード | クラスタのノード時間 | 0.85ドル/ノード時。1年CUD0.68、3年0.51ドルの例 |
| SSDストレージ | 物理テーブルのGiB月 | 0.17ドル/GiB月の例 |
| HDD / Infrequent Access | GiB時間・月 | 料金表のリージョン別単価を確認 |
| Data Boost | サーバーレス処理SPU秒 | 1,000時間あたり0.845ドルの表示例。1リクエスト60秒最低 |
| ネットワーク・複製 | リージョン境界のGiB | 転送先・量により0ドルから。別リージョン複製は加算 |
ノードは各時間の最大ノード数で計算され、最低1時間という説明があります。オートスケールで一時的にノードを増やした場合も、その時間の最大数が効きます。EnterpriseとEnterprise Plusの機能差、メモリや性能要件を先に決め、価格だけでエディションを選ばないようにします。
1ノード構成の月額を計算する
公式の例に合わせ、1クラスタ・1ノード、30日、24時間、SSD 50GiB、us-central1で考えます。ノードは1×720×0.65=468ドル、ストレージは50×0.17=8.50ドル。転送がなければ合計は476.50ドル/月です。ノードが1台でも月額の大半はノード時間です。小規模なデータだけを保存する用途なら、Firestore料金やCloud SQLなど別の選択肢との比較が必要になります。
2クラスタを同じリージョンに置くと、ノードもストレージも2倍に近づきます。公式例では1クラスタあたり18ノードを10日、25ノードを20日動かし、ノード料金は2,808+7,800=10,608ドル、30TiBのストレージは5,222.40ドルと計算しています。平均ノード数で丸めず、期間ごとの最大ノード数とクラスタ数を記録するのがポイントです。
レプリケーションと転送の費用
異なるリージョンへクラスタを追加すると、データがコピーされ、初期レプリケーションと書き込みの継続レプリケーションが課金対象になります。公式例では、us-central1からasia-south1への10TiBの初期複製を0.12ドル/GiBとし、1,228.80ドル。逆方向の2TiBは245.76ドルです。運用中の書き込みも宛先クラスタごとに加算されます。
3リージョン構成では、1回の書き込みが2つの宛先へ複製されます。可用性は上がりますが、ノード・ストレージ・書き込み転送・障害復旧を同時に支払います。リージョンを分ける理由が「低遅延」「災害対策」「データ所在」のどれかを明確にし、同じリージョンの複数ゾーンで足りる要件と比較してください。
Data Boostとバックアップ
Data Boostは、プロビジョニングしたノードの処理を圧迫せずに、パイプラインやクエリをサーバーレスで処理する仕組みです。SPU(serverless processing unit)秒で計測され、公式ページには1,000時間あたり0.845ドルの例があります。最低60SPU秒/リクエストがあるため、短いクエリを大量に出す場合はまとめ方を確認します。Data Boostにはストレージやネットワークの追加料金がない説明ですが、元のノードとデータ自体は残ります。
バックアップはStandardとHotで単価が異なり、元テーブルの保存量に近い容量を持ちます。バックアップを多世代残すほど、障害復旧の安心と月額が一緒に増えます。保持期間、復元時間、削除権限を決め、名前だけでなく作成日・期限・所有者をタグで管理します。
周辺サービスと比較
- 大量分析を主目的にするなら、BigQuery料金のスキャン・保存と比較します。
- リレーショナルな整合性が必要なら、Cloud SQL料金のインスタンス・ストレージ・HAを確認します。
- イベント連携を組むなら、Pub/Sub料金の配信・保持・転送も含めます。
Bigtableへの書き込み元がCloud RunやCompute Engineなら、その実行時間・転送・サービスアカウントも別に見積もります。データ量、QPS、レイテンシー、ノード最小数を一緒に表にし、月額だけでなく、ピーク時に何ノード必要かを判断します。
契約・停止・削除
Bigtableはノードをプロビジョニングした時間に課金され、利用率が低くても自動で無料にはなりません。CUDは1年・3年の利用を確約するため、安定した本番負荷を計測してから購入します。インスタンスやクラスタを削除する前に、バックアップ、エクスポート、アプリの接続先、複製先を確認します。別クラスタを削除しても、元のクラスタのデータやバックアップは自動で消えない場合があるため、復元要件を守って段階的に廃止します。
データ・セキュリティ
Bigtableのアクセス制御はIAM、サービスアカウント、アプリプロファイル、暗号化、VPC、監査ログを組み合わせます。複数クラスタのデータ所在、バックアップの保管場所、リージョン間複製の権限を確認し、顧客データを広げる範囲を必要最小限にします。キー設計やTTLは、性能だけでなく保持・削除要件にも関係します。暗号化しても、誤った権限で読み出せる問題は解決しません。
よくある質問
ノードを1台にすれば安いですか?
ノード料金は下がりますが、可用性・性能・本番要件を満たせるかを確認します。1クラスタ・1ノードでも公式例では月468ドルです。
データが少なければ保存料金も小さいですか?
保存は小さくできますが、ノード時間が主な費用になる構成もあります。データ量だけでなくQPSと必要なノード数で判断します。
3年CUDをすぐ購入してよいですか?
利用期間、リージョン、エディション、最低ノードが安定してからです。検証や移行中はオンデマンドで実測する方が安全です。
Bigtableの料金は「データが何GBあるか」より、データを置くクラスタとノードを何時間維持するかで大きく変わります。レプリケーションとバックアップを含む構成図を、料金表と同じ粒度で作ることが、後からの値上がりに説明をつける方法です。
参照:Google Cloud Bigtable pricing、Bigtable公式概要(2026年8月25日確認)。価格は公式のus-central1例を含み、リージョン・エディション・ノード・転送で変わります。

